乳首が痛い。出血しても授乳は続けて大丈夫?
母乳育児をするために毎日授乳をしているとある日突然、乳頭部が痛むことはありませんか。
赤ちゃんがおっぱいを吸う力は想像以上に力強いんです。とくにこの力に慣れるまでは、乳首、乳頭が切れたり裂けたり割れたりなどのトラブルが起きやすくなるでしょう。
痛みながらの授乳はとてもつらく憂鬱になってしまいますよね。
乳首、乳頭からの出血や痛みを少しでも早く治せるような対処、治療方法についてお話したいと思います。
もくじ
1.なぜ授乳をしていると乳首(乳頭)から出血するのか
2.授乳の姿勢、抱き方を工夫すると乳首への負担は軽減される。
3.乳首(乳頭)が傷つき痛んだときのケアについて
4.まとめ
なぜ授乳をしていると乳首(乳頭)から出血するのか
授乳により乳首(乳頭)が切れたり裂けたりしてしまってできる傷のことを「乳頭亀裂」と言います。これは、毎日の度重なる授乳により乳首に無理な負担がかかることにより起こる症状です。
この無理な負担の原因は、授乳時の赤ちゃんおっぱいの吸い方、吸う場所が毎回同じになってしまっていると起こりやすくなります。
新生児の頃には1日に10回以上は授乳を行うと思います。これだけたくさん授乳をするわけですから、乳首への負担も大きいはずですね。
赤ちゃんの母乳を吸ういながら飲む力は思っているより強くしっかりしています。深く乳房を咥えて、乳頭を上あごと舌の間で挟みながら舌を巧みに使い乳首の付け根を圧迫することにより、入管洞に溜まっている母乳を絞り出しながら飲んでします。
この上あごと舌で挟んで圧迫しながら吸引されると乳首にはかなりの負担がかかっています。偏った方のおっぱいばかりをよく吸わせていたり、授乳の時間が長引いたりするとその乳首は傷つきやくなり割れや裂けが起きてしまうでしょう。
また、授乳ごとに乳房や乳首を清浄綿で拭きすぎたり、ブラジャーや母乳パットで蒸れてしまっている状態が続いている場合でも傷つきやすいので注意してください。
乳首の根元が丸く裂けてしまった場合は、赤ちゃんの咥え方が浅くなっていることで根元に無理な負荷がかかていることが考えられます。授乳時には赤ちゃんの咥えている様子をチェックして奥までしっかりと乳房を咥えさせるようにしてください。
こうすることで、乳房にも赤ちゃんにも負担が少なく授乳できるようになります。
授乳の姿勢、抱き方を工夫すると乳首への負担は軽減される。
授乳するときに毎回同じような体勢で授乳してしまうと、赤ちゃんの吸い方も一定になってしまい、乳首の同じ箇所に負担がかかってしまいます。こうなるとその部分のは傷つきやすくなってしまいますよね。
同じ箇所の乳首への負担を減らすためには、毎回の授乳ごとの抱き方を替えるように工夫するといいでしょう。とはいっても毎回いろいろと抱き方を変える必要はありません。縦抱きや横抱きなどの抱きやすい方法の2パターンくらいを授乳ごとに交互に繰り返すだけでも効果はあります。
この時も、赤ちゃんの咥え方には注意し、咥え方が浅くなっていないかを確認し、乳首に負担がかからないようにしましょう。
大きな口を開けた状態でしかりと乳房と乳首部をかぶりつかせる感じにするといいでしょう。乳首への負担が軽減し痛み亀裂の予防になります。
また、授乳が終わったときにも注意してください。授乳後は、ゆっくりと赤ちゃんの口から乳首を離すようにします。ママの指を添えながら支えにし、そっと離すようにすると乳首への負担がかかりにくくなります。
授乳後、(とくに夏場は)に乳首が蒸れてふやけた状態になると思います。この蒸れやふやけも乳首への傷を誘発させやすくします。
このときは乾いたタオルなどで軽く拭き上げた後に少し乾かしてから下着をつけることで乳首への負担を減らすことができます。
乳首(乳頭)が傷つき痛んだときのケアについて
乳首が傷ついてしまうときには大きく分けて2つの症状が考えられます。まず、1つは乾燥気味である場合です。
この場合は、保湿が必要となります。主にオイルや馬油、軟膏などでケアすると効果的です。乳頭ケア専用の軟膏クリームなどを使用すれば、塗布したまま授乳できる種類もありますので、授乳時にわざわざ拭き取る必要もなくおすすめです。
保湿用のオイルを使ったケアも効果的です。これは元々はやわらかく健康な乳首を作り赤ちゃんが授乳時に吸いやすくするためにすることを目的として行うことですが、同時に保湿ができることから傷のケアにも効果があります。
2つ目の症状は。蒸れなどによりふやけ気味である場合です。
この場合は、先にもお話しましたが、授乳にすぐに下着をつけてしまうのではなく、しっかりと乾燥させてるようにしましょう。
1日中家にいるときなどは、なるべく通気性をよくするために、母乳パットやブラジャーなどは外しておいてもいいかと思います。
授乳が続き、なかなかふやけや痛みがなかなか治らない場合は乳頭保護器などを使用するこも効果的です。
傷ついてしまている場合は、その傷の状態・症状に関係なく、授乳させるときはまず、この傷がついているおっぱいとは反対の方から授乳させてください。両方とも傷ができてしまっている場合は、傷が小さい方か痛みがマシなようから授乳させるようにします。
お腹が空いている状態では、初め赤ちゃんは勢いよく吸い付いてきます。痛みがないところでまずは授乳させるようにします。
亀裂により乳首や乳頭から出血してしまった場合でも、そもまま授乳して問題ありません。
赤ちゃんが血を一緒に飲んでしまっても大丈夫なのかと思うかもしれませんが大丈夫です。母乳自体がもともと血液から作られているものです。
なので成分もほぼ同じなので赤ちゃんには何も害はありません。
まとめ
●授乳時にいつも同じ部分に負荷がかかると乳首は痛み傷つきやすくなる。
●授乳時の赤ちゃんのおっぱいの咥え方が浅いと乳首に負担がかかりやすい。
●授乳時の抱き方を替えて、負担を分散させよう。
●乳首の傷の症状は、主に乾燥とふやけの2つの症状がある。
●亀裂などにより出血してもそもまま授乳しても問題ない。
特に初めて授乳するママは日々、一生懸命授乳することで精一杯でしょう。
しっかりと授乳させてあげることは大切ですが、ママの体も大切でよね。負担がかかりすぎているときは、1回の授乳時間を短くしたり、たまにはミルクの力を借りてもいいと思います。
授乳の間隔がいつもより長く空いてしまった場合などはおっぱいの張りに注意しましょう。搾乳やエア抜きで対応しうっ滞を防止するようにしてください。
毎日の授乳をストレスなく行うためには傷の治療を優先させることが大切ですよね。